2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「シルバー事件」にみるミメーシス

さて、今回かなり前に(ミメーシスの議論を始めた頃)に話題に挙げていたシルバー事件について取りあげたいと思います。 もともとは、「過去を殺す」というキーワードとナドーのメランコリーの議論を関連づけながら、もっと面白い視点を提供してくれる作品で…

アブラハム.H.マズロー、上田吉一訳「完全なる人間」(1962=1964)

今回から検討したいのは、「人間性(ヒューマニティ)」についてである。これまでも関連的な分野をレビューしてきたように思うが、だいぶ考えもまとまってきたので、考察の対象として加えていきたい。ちなみに訳書は1979年の新装版を読んでいます。(読書ノ…

フランソワ・ベゴドー「教室へ」(2006=2008)

この本を知ったきっかけは、本書の映画版にあたる「パリ20区、僕たちのクラス」を見たことでした。本書と同様、淡々とした内容で、パリの中でも多くの移民が住む地区の学校の、コレージュ最終学年(中学3年に相当)のクラスの1年間の日常が描かれていると…