2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

十川幸司「来るべき精神分析のプログラム」(2008)

今年最後のレビューは久々に精神分析関連の著書である。十川の著書は以前「精神分析への抵抗」を読んだ際に、なかなか私に近い解釈もしているなという印象を持っていた所である。本書においても、基本的にはメラニー・クラインの解釈も類似している印象があ…

「理念型」の考察―羽入辰郎「学問とは何か」を中心に―その2

(その1の続きです。)○妥当性問題…理念型の「妥当性」を判断する者は誰か? すでに何度か理念型の「妥当性」については触れたが、その考察をしよう。この妥当性というレベルで「理念型」を議論せずに「あてはまるかどうか」のみで考えることはそもそも理念…

「理念型」の考察―羽入辰郎「学問とは何か」を中心に―その1

今回はずっと保留してきたヴェーバーの「理念型」についての考察を行っていきたい。それにあたり、羽入辰郎の文献と、その批判を行っている折原浩の議論を中心に検討しながら行いたいと思う(※1)。今回は考察が長くなったため、ノートは省略する。また、内…