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妻鹿淳子「犯科帳のなかの女たち」(1995)

本書は江戸時代の岡山藩における「犯科帳」を史料にしながら、当時の社会(共同体)がどのようにあったかについて分析を行っているものである。 特にポイントとなるのは、p72-73にあるような記述である。ここでは過去の議論において江戸時代における農村部の…

ダニエル・H・フット「裁判と社会」(2006)

今回は日本人論の検討の一環で、法社会学的アプローチをとるダニエル・フットの著書のレビューである。 本書は、日本人論に対して一定の懐疑を持ちつつも、とりわけ『制度』の影響についての検討を、訴訟をめぐる分野から行っている。しかし、特に序盤で語ら…

河合隼雄・加藤雅信編「人間の心と法」(2003)

今回はいわゆる「日本人論」関連のレビューをしていきたい。 本書は川島武宣的な日本(東洋)/西洋の対比として用いられていた法意識の議論(p39)に対して、二種類の大規模な海外比較の調査の結果を用いつつ、その検証も含めた法意識の分析を行っている。本…