2010

大澤真幸「不可能性の時代」(2008)

今回は大澤真幸です。3年前に一度読んで、最近読み返したのですが、思う所が多かったのでレビューしてみます。(読書ノート) p29 「理想」としてのアメリカ p77 「要するに、村上の『羊をめぐる冒険』は、三島から直接にバトンを受け取るように小説を書き…

ジョージ・リッツア「無のグローバル化」(2004=2005)

今回はベックの代理でハイパー近代(後期近代)の議論をするということで、リッツアを取り上げます。 リッツアは「マクドナルド化する社会」で有名ですが、本書はその後に出た本になります。(読書ノート) vi ご当地キティやご当地ロゴ入りTシャツなどにつ…

ローレンス・レッシグ「CODE」(1999) その2

今回は、ひたすら考察であったため、時間がかかりましたね… 通常の読書ペースも決して早くないので、だいたいこれぐらいの更新ペースがよいのかもしれません。・(行為の)規制をめぐる諸相、再考 レッシグは規制を行う様式を4つ挙げている。法・規範・経済…

ローレンス・レッシグ「CODE」(1999) その1

すでに何度か言及していたレッシグですが、2回に分けて検討したいと思います。 当時読んでいたのは初版でしたが、今回は2006年(邦訳2007)に刊行されているVERSION.2.0の方を読み直してノート作ってます(このためすごく時間かかりました…)。(読書ノート…

東浩紀「情報環境論集 東浩紀コレクションS」(2007)

前回に続いて、「統治」における規律訓練型権力・環境管理型権力の性質をとらえる一環で読んだ一冊です。「文学環境論集」などでも、この点が議論されています。が、今回改めて読み返してみてピックアップした点というのは、かなり今現在の関心に結びつけて…

アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート「<帝国> グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性」(2000=2003)

中野論文を読んでからまず興味をもったのは、新自由主義的な「統治」の性質の問題でした。フーコーなども読んでましたが、「自発的」な主体がどのようにして従者として組み込まれていくのか、そのメカニズムを追った本をよく読んでいました。 その中でも最も…