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土居健郎「「甘え」の構造」第三版(1971=1991)

今回、当初予定していなかった土居のレビューを行うことにした。杉本・マオア(1982)のレビューがなかなかまとまらないのもそうだが、日本人論の代表書の一冊と言われる本書を読んでみて、そもそも本書を日本人論の著書と位置付けるのが適切なのかどうかとい…

十川幸司「来るべき精神分析のプログラム」(2008)

今年最後のレビューは久々に精神分析関連の著書である。十川の著書は以前「精神分析への抵抗」を読んだ際に、なかなか私に近い解釈もしているなという印象を持っていた所である。本書においても、基本的にはメラニー・クラインの解釈も類似している印象があ…

アブラハム.H.マズロー、上田吉一訳「完全なる人間」(1962=1964)

今回から検討したいのは、「人間性(ヒューマニティ)」についてである。これまでも関連的な分野をレビューしてきたように思うが、だいぶ考えもまとまってきたので、考察の対象として加えていきたい。ちなみに訳書は1979年の新装版を読んでいます。(読書ノ…

ジークムント・フロイト「フロイト全集 第19巻」(2010)

今年最後になりますが、岩波書店のフロイト全集から、「制止、症状、不安」(1926)を読みます(p192を除く)。今回もジジェクの議論の考察をしますが、先に結論を言えば、この論文におけるフロイトの「不安」の捉え方から、ジジェクの主張の矛盾を指摘でき…

メラニー・クライン「メラニー・クライン著作集2、4」

今回は謎だと言っていたクラインです。クラインの著作集は1巻と2巻、4巻を読みましたが、2巻と4巻が彼女の精神分析の手法を理解する上で重要だと感じました。どちらかが欠けるとよくわからなくなるので、両方レビューの対象としました。(読書ノート2…